ヴァン クリーフ&アーペル / Van Cleef & Arpels「レコール ジュエリーと宝飾芸術の学校」を取材して

ジュエリーを、歴史、美術、宝石学などさまざまな視点から学ぶ

2月29日~3月8日、京都造形芸術大学 外苑前キャンパスでヴァン クリーフ&アーペルの「レコール ジュエリーと宝飾芸術の学校」が開催されました。これは2012年に創設され、パリ本校の他、東京、香港、ニューヨーク、ドバイで行われている特別講座で、東京は初回の2013年以来、2回目です。フランスの老舗メゾンのラグジュアリー感とアカデミズムに触れられるこの機会を楽しみにしていた人も多いことでしょう。

ヴァン クリーフ&アーペルの「レコール ジュエリーと宝飾芸術の学校」の目的は、フランスを拠点に世界各国の人々にジュエリーの文化を広めること。実践的な講義や対話型セミナー、エキシビション、ビデオ、書籍販売などを通じて宝飾職人のサヴォアフェール、原石の世界、ジュエリーの芸術史を学ぶ場を提供しています。

古代より歴史を重ねてきたジュエリーの、その理解を深めることは、人類や地球の壮大な歴史を読み解くことに通じます。

今回の「レコール ジュエリーと宝飾芸術の学校」は、エキシビション、サヴォアフェール、ジュエリーの芸術史の3つのプログラムで構成されていました。

Brand Jewelry編集部は、『自然の痕跡』をテーマにエキシビションを行ったハルミ・クロソフスカ・ド・ローラさんと、『Through the Eyes of a Connoisseur~ある愛好家の目線』展のキュレーションを担当したヴィヴィアン・ベッカーさんにお話を聞くことができました。

ハルミ・クロソフスカ・ド・ローラさんは、フランスの画家バルテュスと、同じく画家で日本人の母セツコ・クロソフスカ・ド・ローラ(井田節子)さんの元に生まれ、ヨーロッパで育ちジュエリーデザイナーとして活動しています。父バルテュスは、「二十世紀最後の巨匠」とも言われた作家。その才能を受け継いだハルミさんは、非凡でダイナミックな独特の世界を創り出します。今回の展示では、光を遮った暗闇のスペースに、小さく繊細な動植物モチーフのジュエリーや、野性味あふれる巨大な動物のオブジェを配置し、鑑賞者を神秘の空間に引き込みました。

ハルミさんのジュエリーは、彼女のデザインや意図の理解者であり、熟練の腕を持つ宝飾職人の手によって、複数の打ち合わせを経て完成しますが、巨大なオブジェは自分自身で創ります。

「3~4年前に彫刻を学び始め、すべて自分で制作することができるようになりました。彫刻技術を知ったおかげで、ジュエリーの職人とのコミュニケーションもスムーズになりました」とハルミさん。

もう一方のエキシビション、『Through the Eyes of a Connoisseur~ある愛好家の目線』では、30年以上にわたり、歴史的・美術的価値あるジュエリーを蒐集する有川一三氏のコレクションの中からアール・ヌーヴォーのジュエリーを選りすぐって展示していました。キュレーションを担当したヴィヴィアン・ベッカーさんは、今をときめくジュエリージャーナリストで、ジュエリーに関する著書を20冊以上書いています。

「アール・ヌーヴォーという美術様式は、日本美術の影響を受けて誕生したものですので、日本で改めて紹介できることは素晴らしいと思います」
アール・ヌーヴォー期を代表する作家、ルネ・ラリックやジョルジュ・フーケなどの傑作はどこでも観られるものではなく、貴重な展示でした。

*ハルミ・クロソフスカ・ド・ローラさんと、ヴィヴィアン・ベッカーさんのインタビューはさらに雑誌『ブランドジュエリー 2019 Summer-Autumn』(6月末予定)にて掲載します。

 

取材協力
ヴァン クリーフ&アーペル
https://www.vancleefarpels.com/jp/ja.html

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京都造形芸術大学外苑前キャンパスで開催された。

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「ミルフィードのバタフライブローチ」ルネ・ラリック

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「自然の痕跡」より

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ヴィヴィアン・ベッカーさん

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ハルミ・クロソフスカ・ド・ローラさん