大正・昭和初期の髪飾り

日本の手作りの髪飾りに触れる

東京・御徒町の日本宝飾クラフト学院では、2013年にスタートした「ジュエリー文化史研究会」という活動の中で、実際に作品に触れ話し合うゼミを開催しています。
講師は宝飾史研究家で同学院の理事長の露木宏氏。

ゼミは少人数制で後半は、指名されて一人一人感想を言わなければいけないので、まさに大学のゼミのよう。数十年前の記憶が戻ってきます。参加者はジュエリーのプロフェショナルばかり。面白い意見が聞こえてきます。

2月4日、私が参加したゼミからいくつか作品をご紹介します。

この日のテーマは、「大正・昭和初期の日本髪用簪(かんざし)、両天笄(りょうてんこうがい)、根掛(ねがけ)」。

大正時代(1912-1926)は、私には大変興味がある時代。
欧米ではアールヌーヴォーやアールデコ様式が賞賛され、働く女性の象徴ココ・シャネルがパリで帽子店を開いています。スコット・フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』の舞台もこの時代。

極東の日本でも近代化が押し寄せていました。
日本の女性にも徐々に洋装が普及し始め、ヘアスタイルは重々しい髪型から、軽く束ねたスタイルやウェーブに変化していきました。
さまざまなデザイン、素材の髪飾りが大量に作られたようです。

素材は銀、銀に金メッキ、べっ甲、サンゴ、真珠、七宝を施したものなど、多彩です。
デザインは、菊、桜、葉、鶴、孔雀、笹など、自然の描写が目立ちます。
間近で見ると、手作りの良さを伝わってきます。

1914(大正3)年、日本橋三越では「金銀細工帯留と頭飾品目録」というパンフレットを発行しています。

もし自宅のタンスに古い髪飾りが見つかったら、捨てないでください。きれいに掃除すれば、再び輝き出すかもしれません。

 Text=Watanabe Ikuko

作品はすべて日本宝飾クラフト学院蔵

http://www.jj-craft.com/

根掛 べっ甲 螺鈿拡大

根掛:べっ甲、螺鈿(らでん)

両天笄 りょうてんこうがい拡大

両天笄(りょうてんこうがい)

簪 かんざし 螺鈿 20金拡大

簪:左は金に螺鈿(らでん)、天賞堂のコレクション 右は20金