資産となる宝石はオークションで クリスティーズ, サザビーズ

史上最高落札額が塗り変わるオークション

世界経済が不安定な中、金の価格が高騰していますが、資産となるような高額の宝石の価格もまた、高騰しています。実物資産として金を持つのも良いですが、ある程度まとまった資金があってジュエリーが好きなら、宝石を買うのも良い投資です。金は稀少価値がありますが、高額な宝石はどれも世界にひとつしかないもの。その希少性は金を遥かに超えます。

宝石を手に入れるには、もちろん信頼できるお店で買うのが一番簡単ですが、有名なオークションに参加することもお薦めです。オークションには、世界にひとつしかない稀少価値を持つ宝石がたくさん出品されます。その中には、将来的に価値が上がっていくものが多くあります。もちろん、それを見極めるのは買う側の目なので、宝石を見る目を養っておく必要はあります。

世界的に有名なオークションハウスは、クリスティーズとサザビーズの2社です。クリスティーズは1766年にロンドンでジェームズ・クリスティーによって設立された、美術品専門としては最も歴史あるオークションハウス。設立当時からクリスティーは貴族や美術愛好家達に好意的に迎えられ、彼らが所有した美術品やジュエリーを扱う機会に恵まれました。ロンドンのナショナル・ギャラリーや英国王室のコレクションは、部分的にクリスティーズによって形づくられたと言っても過言ではありません。美術の中心地、パリから産業革命で財力を得た英国に第一級の美術品が大量に流れ込み、クリスティーズを経て英国人の手に渡ったのです。

1960年代の美術市場の拡大に伴い、クリスティーズは国際的な規模に拡大し、現在はロンドンとニューヨークを中心に、香港、パリ、ジュネーブなど、10都市で年間450回を超えるオークションを開催しています。取り扱い分野は美術が中心ですが、宝石も多く、世界的なニュースになるような宝石がたびたびオークションに出品されています。

一方、サザビーズは1774年にロンドンで書籍の売買をしていたサミュエル・ベーカーが開催した古書のオークションから始まりました。1778年にベーカーの甥、ジョン・サザビーが経営を引き継ぎ、古書以外にも美術品や家具など取り扱い分野を増やし、オークションハウスとしての確固たる地位を築きます。1964年にアメリカのオークション会社パーク・バーネット社を買収したことで、世界的な規模のオークションハウスとなりました。現在は世界18ヵ所で年間約750回のオークションを定期的に開催しています。

どちらも東京にも事務所を持ち、出品や入札に関しては手助けをしてくれます。クリスティーズやサザビーズと聞くと、数十億円もする美術品やジュエリーが思い浮かび、敷居が高く感じられますが、取り扱うものの落札価格はさまざまです。また、作品は一度実際に見て確認をしたほうが良いですが、ビッドにはオンラインでも参加できます。興味がある方は一度カタログをチェックしてください。

公開の場で競り合い、最高値をつけた人が買い手となるオークションは、本当にフェアな取引の場。今は史上落札価格が次々に塗り替えられる活況を呈しています。

オークションに参加する

オークションに出品したい時は、まず作品の詳細と予想落札価格が書かれたカタログを見て、興味のある作品を選びましょう。カタログは、オークション会社のホームページ上で誰でも無料で見ることができます。日本でプレビューが開催されるオークションでは、日本で実物を見ることができる場合があります。ただし、出品されるすべての作品が日本に来るわけではありません。また、宝石の状態を記したコンディション・レポートのサービスもあります。落札後のキャンセルはできないので、やはりプレビューに行って、自分の目で実物を見ることをお薦めします。入札は現地会場、オンライン、電話、書面の4つの方法から選べます。初参加や一定期間ビッドしていない場合などは、銀行照会や本人確認が必要となります。落札すると、落札価格と手数料、開催地によっては現地の税金がプラスされた請求書が届き、支払いが確認されると作品が送られます。
 http://www.christies.com/

オークションに出品する

オークションに出品したいものがある場合には、まず資料(画像や鑑定書のコピーなど)を東京のオークション会社の事務所に提出し、スペシャリストに実際に作品を見てもらいます。オークションに適したものだと判断された場合には、エスティメート(予想落札価格)が提示されます。この価格が満足のゆくものであれば、契約書を締結することになります。作品はオークションの開催地まで売り主が送ります。この時にかかる送料や通関の費用、保険などの諸経費、また不落札だった時の返送費はすべて売り主の負担となります。手続きはオークション会社が手助けしてくれます。落札された場合、落札代金の支払いは買い手からの全額入金を条件にオークション開催日から35日目以降に行われます。支払われる額は、落札価格から出品手数料と諸経費を引いたものです。不落札の場合には、再出品したほうが良いかどうかを担当のスペシャリストに相談しましょう。
Text=Yoshiko Takahashi

1USドル=109円(2016年4-5月)
© Christie’s Images Limited 2016

クリスティーズ オークション会場拡大

2013年5月15日にジュネーブで開催されたクリスティーズのオークションの様子。101.73ctのダイヤモンド「ウィンストン・レガシー」が話題を集めました。

パドル拡大

クリスティーズ ロンドン本社拡大

クリスティーズのロンドン本社。クラシックで格調高い建物が印象的です。

オッペンハイマー・ブルー拡大

2016年5月、ジュネーブに出品された「オッペンハイマー・ブルー」エメラルドカットのヴィヴィッドブルーダイヤモンド。14.62ct 落札価格 58,002,681ドル The Oppenheimer Blue appeared at Christie's Geneva in May.