ダイヤモンドのムーブメント アントワープから発信される高品質ダイヤモンド

ダイヤモンドカットは秘伝

ダイヤモンドは採掘されてから、ジュエリーとなるまでに1~2年かかります。採掘されたダイヤモンド原石は宝石用、工業用として分けられ、アントワープ、ムンバイ、ニューヨークなどに運ばれ加工されます。ベルギーのアントワープでは、16世紀頃よりダイヤモンドの取引が盛んに行われていました。当時はインドやブラジルのダイヤモンドがこの街にいったん集められたようです。

ダイヤモンドから輝きを引き出す研磨技術は何千年もの間、曖昧でした。1415世紀頃、ダイヤモンドの代表的な結晶である正八面体の表の上部を平らに研磨しただけのポイントカット、ポイントの尖った部分を削り落としたテーブルカット、半球形で上の丸い部分だけにファセット(面)を付けたローズカットなどが登場します。しかし形は面白いですが、輝きはいまひとつだったので、当時の人々はダイヤモンドにそれほど魅力を感じていなかったようです。その研磨技術のターニングポイントとなる出来事がようやく20世紀に起こります。

アントワープのダイヤモンドカッター、トルコフスキー家の4代目で数学者のマルセル・トルコフスキーが、1939年、ラウンドブリリアントの理論を構築し、一族の名前を有名にしました。ラウンドブリリアントカットは、今ではダイヤモンドの代表的なカットとして認知され、このカットをベースにした多様なカットが次々に生まれています。現在、トルコフスキー家では6代目のガビ・トルコフスキーが活躍しています。彼は一族のなかでも屈指の技術を持つと言われ、数々の業績を残しています。

彼が手掛けた無数のダイヤモンドのなかで2つの世界的に有名なダイヤモンドがあります。そのひとつは、1986年、南アフリカのプレミア鉱山(2003年名称変更により、現在はカリナン鉱山と呼ばれる)で発見された599カラットの原石で、表面を細かいひびが覆っていました。非常に壊れやすいものでしたが、特別な装置を開発し、3年の歳月をかけて247のファセットを持つ最高傑作に仕上げました。これはデビアスの100周年を記念して「ザ・センテナリー」と名付けられました。もうひとつは、同じくプレミア鉱山で発見された755カラットの茶色の原石で、これも表面にひびが入っていましたが、特殊な冷却装置によってカットは成功し、545・65カラットの世界最大のファンシーイエローダイヤモンドとなりました。これは、「ザ・ゴールデン・ジュビリ」と命名され、著名な実業家よりタイ国王に、王位継承50周年を祝って贈られました。

ダイヤモンドStyle Guide

写真上から

1986年、デビアス100周年を記念してガビ・トルコフスキーが研磨した「ザ・センテナリー」。599ctの原石を273.85ctDカラー、フローレスに仕上げた。

ガビ・トルコフスキーが1991年に研磨した「ザ・ゴールデン・ジュビリ」545.65ct、ファンシーイエローブラウン。原石は755ctの茶色っぽいダイヤモンドだった。

世界最高峰のカッターとして知られるガビ・トルコフスキーがカットしたさまざまなダイヤモンド。

*Brand Jewelry Web メールマガジン登録 はこちら

拡大

「ザ・センテナリー」

拡大

「ザ・ゴールデン・ジュビリ」

拡大